自分たち事

未完の刊本
クラウドファンディングに参加していた、
故・渡辺保史先生の遺稿「Designing ours:『自分たち事』をデザインする」読了
先生がどんな人であったかは、
クラウドファンディングのページにもあるので割愛するとして、
その内容などについて考えたことを少し綴ってみる
もともとは先生が亡くなる前、最後に携わった大きなプロジェクトでの関わりがあって、
その考え方や行動に大きな影響を受けている
実際に本書に書かれていることもいろいろ伺った経緯があり、
そのつながりから今でも新しい知り合いの方に出会うくらいである
内容について
とくに肩書きのお話については、自分と共通するというか
この話も聞いていたけれど、どれも自分を表すのに足りない、表現しきらない、
だからこそ中立な、多様な分野に関われる人である
というのが
まさに今の自分の指針になっている
そしてタイトルにある自分たち事
この本自体が、
つまり先生の生き方そのものが
自分たち事そのものだと本文を読んで感じた
そして、
この本は先生が亡くなられたことで未完なのだけれど、
さもすればこの本は、未完のまま発行されなかった可能性もあると思うほどには
絶妙なバランスで書かれており
日々進行する世界において古くもなく新しくもない思考の塊だと感じた
改めて自分に置き換えてみると
演劇においては、
じつはこの考え方は日常茶飯事では無いかと思う
作品はひとりではつくれず、
つくったものを見てもらうのはまた別の人
その空間と時間を多くの人と共有することで、
少し豊かな未来を生み出す
とくに第3部はまだ手付かずな部分が多い未完の書
ゆえに、想像しつつ読み解くため時間がかかり、考えさせられる部分が多く、
だからこそ頭を整理されたような感覚を得た
読めてよかった
Designing ours 出版世話人のみなさま、
本当にありがとうございました
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